【雑談】中国には数多くの明星(スター)がいます。


そのうちの何人かは日本人にも知られていますね。日本人に有名ところをあげれば、チャンツーイー、コンリー、あとはジャッキー・チェンといった感じでしょうか。

しかしほかの多くの明星たちの日本での知名度はあまり高くはありません。これは中華圏がただ単に外国だからという理由ではありません。

ましてや明星たちの実力の問題でもありません。これはどちらかといえば日本側に問題があり、日本ではあまり映画やCDの輸入に熱心ではなく、彼らを知るきっかけがあまりありません。早い話が日本で中華明星の知名度が低いのは、そもそも彼らに触れる機会がないからだと思います。

今(2004,10月)日本では韓国ブームが巻き起こっていますね。少しくらい前からボアやユン・ソナが売れ始めて、「冬のソナタ」のヒットにより、完全にブームと呼べるまでになりました。巷では韓国語学習熱が上がり、韓国語の歌のCDも街で見かけるようになりました。

これはある意味正しい姿だと思います。今までの日本では、CDショップへ行っても英米以外の外国語曲(特にポップス)を手に入れるのは至難の業でした。でもこれは少しおかしいですよね。日本の隣りには韓国・中国という大きな国があり、日本とも盛んに交流をしているのに、そこの音楽や芸能作品を鑑賞することがなかなかできない。

日本人がもともと外国のものにまったく興味を示さない民族ならば、それでもいいのですが、むしろ日本は世界で最も「外国大好き」な民族でありますし、現に洋楽は一昔前(今でもそうかもしれませんが)までなら、誰でも聴いていたのですから、隣国の芸能(歌や映画)に興味を示さないというのはリクツに合いません。

確かに一昔前においては(韓国はどうか知りませんが)、中華圏の芸能はまだ未発達でしたし、政治的な対立もありましたから、日本にやってくるだけのパワーはなかったと思います。しかし今時代はまったく変わりました。韓国・中国・シンガポール・香港などの国や地域では、芸能交流が盛んです。中国のCDショップへ行けばどこでも必ず日本・韓国の曲を売っています。浜崎や宇多田などの名前は中国人は誰でも知っています。

マンガやアニメも日本のものが受け入れられています。それに比べると日本の状況はいかにもお粗末です。

こういう話をすると、「アジアで日本の芸能が受け入れられているのは、アジアでは日本の芸能がもっとも優れているからであり、日本でそれがないのは中国・韓国の芸能レベルが低いからこっちにやってこられないからだ」というひとがいますが、それは間違いです。海外でいくら日本の芸能が受け入れられているといっても、それは所詮選択肢の一つに過ぎません。中国で一番人気があるのは香港か台湾のもの(二つをひっくるめて中国では港台といいます)ですが、この二地域は実のところ、中国から見れば「外国」です(政治体制や人間の気質がまるで違います)。もし芸能がひたすら弱肉強食の世界なら、中国から見れば同じ「外国」の日本は同じく「外国」である港台に勝てなかったので、日本の芸能は港台に劣るということになりますが、そうではありませんよね。芸能の優劣なんて簡単に決められるものではありません。それぞれに特徴があり、良さが違うわけですから。

もちろん当然選択肢は多いほうが、いろんな味を味わうことができるからよりいいわけです。日本にはそもそもその選択肢すら用意されていないわけですから、これはおかしいと私は言っているのです。

なぜアジアの芸能が入ってこないかといえば、ただ単に音楽会社や芸能会社の上の人の頭が古くて硬いだけだと私は思います。というのも韓国ドラマがここまで流行るからには、すでにふつうの日本人が楽しめるものを韓国は作っているのですから、今まで韓国ドラマがなかなか入ってこなかったのは作り手の責任とは思えないからです。どちらにせよ韓国製のものはこれからどんどん入ってくるでしょうが、中華圏はどうでしょうか?

確かに今までも映画ならチャン・イーモウ(この人についてはまた別の機会に深くお話します)が日本でも人気がありますが、この人が中国で今ぜんぜん人気がないことはあまり知られていません。「HERO」が中国で不振に終わり、「LOVERS」も悪評プンプンのまま幕を閉じました。どちらも海外ではヒットしましたが、本国ではどうもダメなようです。中国で本当に人気があるのはもっとくだらない、香港で作ったような映画なのですが、それはあんまり日本にはやってきません(ジャッキー・チェンは例外)。そういう映画が日本で受けないかというと、そんなことはなく「少林サッカー」は日本でも大人気でしたね。

つまりアジアの映画や音楽のいい作品というものは、日本人でも楽しめるものが多いのですが、そのほとんどを日本にいては知ることができないわけです。それは非常に惜しいことです